Harpsichordist TOMOKO MATSUOKA
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          イタリア便り
 
2010.10.01 N.34
「秋のミラノより」


今年の日本は記録的な猛暑に見舞われ、暑くて蒸し暑い夏が長く続いて大変だったようですが、 ようやく涼しくなってきたと聞きました。私も、8月から9月にかけて一時帰国していましたが、 本当にすごい暑さでした。

ミラノに戻るとすっかり秋の陽気で、肌寒い空気と清々しい青空。最近さらに気温が下がり、 外に出るときはしっかり着込んでいます。
今週は、音楽院最後の試験「レパートリーの歴史と分析II」があり、 学校の試験もきっとこれで最後になるだろうな・・・なんて思いながら準備しました。 残すはいよいよ12日の修了リサイタルのみとなりました。ゴルトベルクの練習も、 佳境を迎えております(笑)などと冗談を言っている場合ではなく、内心、 初めてのゴルトベルクを前にかなり焦っています。弾けば弾くほど「大曲」であり、 壁が高くなっていく感じです。

そんな中、昨日は11月のリサイタルのための衣装をつくるため、 生地を持って友達に紹介してもらった洋裁師さんに会いに行って来ました。 その人に初めて電話をする前は、本当に作ってくれるだろうか、時間は間に合うだろうか、 その人がダメでもし他の人が見つからなかったらどうしよう・・・となぜか悪循環で悪いほうへ悪い方へと想像し、 必要以上に心配になりましたが、実際に話してみたら即OKですんなりと話が進み、安心しました。
生地は、祖母が昔タイに旅行に行った際に買ってきたもので、 今まで長い間箪笥に眠っていたものが生きた洋服になるのはうれしいです。 洋裁師さんも「素敵な生地ね」と言ってくれました。形になったのを見てみるのが楽しみです。

それにしても、私たち女性の演奏家にとって、演奏会の度に着るものについて考えなければならないのは、 すごいストレスです。弾く曲、弾く音の心配だけでも相当なものなのに!特に日本がそういう傾向にあるように思います。 こちらでは、着るものについて褒められることはあっても、その逆は経験したことがありません。 が、日本では友達の話を聞いても、そんなことばかり。本末転倒ではないかと思ってしまいます。 それに比べて、男性は良いですよね。基本的に毎回同じで問題とされないのですから。

さて、いずれにしましても、このイタリア人の洋裁師さんによる衣装の舞台デビューともなる11月13日のリサイタル、 まだまだチケットございますので、皆様どうぞお友達お知り合いなどお誘いあわせの上お越し下さい。お待ちしています!

 
 

バックナンバー
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