Harpsichordist TOMOKO MATSUOKA
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          イタリア便り
 
2009.9.9 N.19
「教会オルガニスト見習い」


1ヶ月半の日本滞在の後、5日にミラノに戻りました。 日本では、3回の帰国公演を無事終えることができ、友人らと思いっきり音楽作りをして、 とても充実した経験となりました。会場に足を運んでくださった皆様、 そして今回の演奏会を可能にしてくださった多くの方々、どうもありがとうございました。

さて、ミラノに到着した翌朝は、家から一駅の聖ジョアキーモ教会のミサに行きました。 その目的は、私の通う音楽院の先生が務める、オルガニストのお仕事を拝見することでした。 というのも、この秋から、その教会の第2オルガニストをさせていただくことになり、何せ初めてのことなので、 1時間のミサの様子を勉強しなければなりません。

教会のオルガンに登って、先生の横でミサの進行表を見ながら、先生が時々弾かれるのを見ていました。 実は、夏に一時帰国する前にも、一度このように見せていただいたのですが、何度見ても、 私にはとても難しそうに思えました。

そして、その日の夜7時からのミサでは、見習いということで先生の見守る中、ミサで弾かせていただきました。 何を隠そう、想像以上に難しかったです。どんどん進行するミサの中で、タイミング良く、 次から次へとその日ごとに決められた聖歌を弾き、オルガンのストップもその都度変えて (先生がほとんど助けてくれましたが)、大忙しであっという間の1時間でした。どこで弾くのか、 また、Comunione(聖体拝領)の時などはいつ止めるべきか、マイクから流れる神父さんの声に耳を研ぎ澄まし、 鏡で動作を見ながら、同時に初見の曲を弾くという、まさに3次元的行為?でした。 まだまだ慣れるまでには時間が掛かりそうです。 でも、カトリックの国に住みながら、このようなお仕事をさせていただけるのは、貴重な経験となりそうです。

この秋のもう1つのニュースは、ERASMUSという欧州内の大学の交換留学制度の奨学生として、 バルセロナの音楽院に留学することになりました。受け入れは今年度の1学期なので、4ヶ月間です。 出発まであまり時間がありませんが、目下、イタリアの滞在許可証の更新、 現地のアパートの手配やミラノのアパートをどうするか、などなど、準備に追われています。 チェンバロ教授は、フランス人のBeatrice Martin氏 で、初回レッスンは今月29日に始まります。 すばらしい奏者だと聞いているので楽しみです。 あぁ、一体全ての準備と引越しが間に合うのか??という感じですが、 どうにかなるであろうと楽観視しています・・・トホホ^^;

そういうわけで、正式に第2オルガニストになるのは、バルセロナから戻ってから、来年2月からになる予定です。 今月もう一度、見習いで弾いてから、バルセロナに発ちます。

 
 

バックナンバー
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2009.7.19 N.17 「水温15度の湖へ!」
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2009.5.27 N.15 「BIOエクスプレス始めました」
2009.4.27 N.14 「近況」
2009.3.19 N.13 「私の好きなピアニスト」
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2009.2.6 N.10 「スカラ座」
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2009.1.1 N.8 「賀春2009」
2008.11.7 N.7 「オバーマ!」
2008.10.8 N.6 「秋ですね」
2008.6.22 N.5 「ミラノの夜」
2008.6.14 N.4 「パレルモの喧騒」
2008.5.2 N.3 「Stefano Montanari氏のマスタークラス」
2008.3.27 N.2 「ショートオクターヴの1週間」
2008.2.26 N.1 「コンセルヴァトーリオ(音楽院)の試験」