千葉日報2007年9月11日
国際コンクール入賞報告
チェンバロ奏者松岡さん、鎌ケ谷市長に
今夏ベルギーで行われた第四十四回ブルージュ国際古楽コンクールのチェンバロ部門で三位に
入賞した鎌ケ谷市出身のチェンバロ奏者、松岡友子さんが滞在先のイタリア・ミラノから
一時帰国し、十日、同市役所を訪れた。日本人の入賞は二十一年ぶりの快挙。清水聖士市長から
「市民の誇り」とたたえられた松岡さんは「(入賞は)貴重なステップ。これからも頑張っていきたい」
と笑顔で答えた。
ピアノを習っていた松岡さんがチェンバロと出合ったのは、高校三年生だった一九九八年。山梨県の
都留音楽祭で曽根麻矢子氏の講習を受け、チェンバロの魅力にとりつかれた。「衝撃的だった。
ピアノとは違う優雅な世界にひかれた。『私の楽器』だと思いました」。翌九九年、イタリアに渡り、
音楽学校などで才能に磨きをかけてきた。
同コンクールはバロックなど古楽の分野で世界的に最も権威があるコンクールのひとつで、チェンバロ部門
は三年ごとに開催。松岡さんは前回も挑戦したが、その時は本選に進むことができなかった。世界各国から
七十一人が参加した今回は、順調に一次、二次の予選を通過。五人による八月一日の本選では、バッハの
「フーガの技法」などから二曲を演奏した。
「精いっぱい、これ以上はないベストの演奏ができた」と振り返る松岡さん。入賞はもちろん、耳の肥えた聴衆
から贈られた絶大な賛辞が今も忘れられないという。
現在はコモ国立音楽院チェンバロ科に在学する傍ら、イタリア、スイスを中心にソリストや通奏低音奏者として
活躍。十月上旬にはイタリアに戻る。「次に帰国した時はツアーができたら。今後世界中でコンサートをして、
ソロに限らず古楽オーケストラやアンサンブルにも挑戦したい」と大きな夢を奏でた。
【写真】ブルージュ国際古楽コンクールチェンバロ部門で3位に入賞した松岡友子さん
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